WordPressのPHPバージョンアップ:「更新を推奨」と出たらどうするか
すぐ何とかしないと、サイトが止まるのかな?
制作会社から届いたPHPの見積もりが本当に必要なのか、教えてほしい。
このような悩みを解決します。
本記事の内容
- 「PHPの更新を推奨」と出る理由と、放っておいた時の話
- 今のPHPのバージョンの確かめ方
- PHP 8.2のサポート期限と2026年10月の修正版
- 自分でやる時の手順と、見積もりで見るところ
この記事では、WordPressに「PHPの更新を推奨」と出た時に確かめることと、PHPバージョンアップの進め方を解説します。
難しそうな言葉が並ぶと、触るのも放っておくのも怖いですよね。
でも、順番どおりに見れば自分でやるか頼むかは決められるので、ぜひ最後まで読み進めてください。
ただし、PHP 8.2の公式の修正は2026年12月31日で終わりますし、10月に出た重大な修正が入っていないこともあります。
まずはサイトヘルスの画面で今の番号をメモして、8.2以下なら年内に上げる予定を立てましょう。
PHPの更新を推奨と出てもWordPressは今日止まらない

それでは、「PHPの更新を推奨」と出た時に押さえたいことを3つ紹介します。
PHP(ピーエイチピー)は、WordPressを動かしているプログラムの言葉で、アプリが動く土台のようなものと思ってもらえれば十分。
最初に押さえたい3つのこと
- 表示が出ても、今日サイトが止まるわけではない
- PHPはWordPressの更新では新しくならない
- 放っておくと、公式の修正が届かなくなる
土台はサーバーの側に入っているので、WordPressやプラグインの更新を押しても、PHPは新しくなりません。
画面の案内のボタンも基本は説明のページが開くだけで、押してサイトが変わる、なんて心配は要りません。
「PHPの更新を推奨」が出る条件
WordPressは、今のPHPを公式の基準と比べて、古ければ画面で教えてくれます。
2026年11月6日に公式で確かめると、勧める基準はPHP 8.3以上でした。
つまり8.2以下なら出て当たり前の表示で、サイトがおかしいわけではありません。
急に出ると、ドキッとしますよね。
WordPressの画面の出方(2026年11月6日時点)
| 今のPHP | 画面の出方 |
|---|---|
| 7.4以前 | ダッシュボードに「PHP の更新が必要です」 |
| 8.0 | ダッシュボードに「PHP の更新を推奨」 |
| 8.1・8.2 | サイトヘルスに「最新ではないバージョンの PHP」 |
| 8.3以上 | PHPの知らせは出ない |
ただし、画面の言葉が穏やかでも、安全という意味ではありません。
例えば8.1は8.2と同じ出方ですが、公式の更新は2025年12月31日に終わっています。
表示の強さより、このあと見る「番号」と「期限」で判断していきましょう。
放っておくとどうなるか
困るのは、新しい問題が見つかった時に、公式の修正が届かなくなることです。
例えるなら、家の鍵の修理が受けられなくなるようなもの。
修理が受けられなくても家はすぐ壊れませんが、新しい手口が出た時に鍵を直してもらえないのが困るところ。
狙われやすくなると言われていますが、いつ何が起きるかは誰にも言い切れません。
もう1つ、古いPHPのままだと本体の更新が進められなくなることもあります。
WordPressのPHPバージョンを確かめる場所と見方
まず始めに、今のPHPのバージョンをメモしましょう。
というのも、番号が分からないまま話を進めても、やることが決まらないからです。
見るだけならサイトは何も変わらないので、失敗のしようがない作業なのが安心なところ。
サイトヘルスでバージョンを見る順番
- 管理画面の左のメニューから「ツール」を開く
- 「サイトヘルス」を開く
- 上の「情報」を開く
- 「サーバー」の項目を開く
- 「PHP バージョン」の番号をメモする
見るのは「8.2.35」のような番号で、「8.2」が大きな区切り、「35」が細かい修正の番号なので、省かずにそのまま書き写しておきましょう。
あわせて、WordPressのバージョン、テーマの名前、プラグインの数、サーバーの会社、作った時期も控えておくと、誰かに聞く時の話が早くなりますよ。
管理画面に入れない時の聞き方
メニューに「サイトヘルス」が無い時は、ログインしている人の権限が足りないことがあります。
管理者のアカウントを持っている人に見てもらうか、ログインの情報が分からなければ、作ってくれた人やサーバーを管理している人に次の一言で聞きましょう。
「ホームページのPHPのバージョンを確かめたいです。
今の番号を教えてもらえますか?」
誰が管理しているか分からない時は、毎年の請求書を見ると、サーバーの会社の名前が分かることもあります。
PHP 8.2のサポート期限と10月の修正版を確かめる

メモした番号は、「期限」と「修正の番号」の2つと見比べます。
同じ8.2でも、後ろの番号によって動く早さが変わるからです。
2026年11月6日に公式で確かめた内容がこちら。
PHPの公式の期限と10月の修正版
| バージョン | セキュリティの期限 | 10月の修正版 |
|---|---|---|
| PHP 8.2 | 2026年12月31日 | 8.2.35 |
| PHP 8.3 | 2027年12月31日 | 8.3.36 |
| PHP 8.4 | 2028年12月31日 | 8.4.27 |
| PHP 8.5 | 2029年12月31日 | 8.5.12 |
PHP 8.6はまだテスト版で、公式も本番に使わないでほしいと書いています。
正式版は11月19日の予定です。
12月31日は止まる日ではない
PHP 8.2の公式の修正が届かなくなる日、と考えてください。
その日を過ぎても、サーバーが同じ状態ならサイトはそのまま動き続けることが多いです。
とはいえ、年末は制作会社もサーバーの会社も立て込みやすい時期。
年明けに頼もうとしたら順番待ちだった、なんて話もよく聞きます。
焦らなくていいけれど、予定だけは今のうちに押さえておくのがおすすめです。
10月の修正版は番号で確かめる
2026年10月21日には、PHPに重大な脆弱性が2件見つかり、修正版が公開されました。
脆弱性(ぜいじゃくせい)は、プログラムの安全上の弱いところのことです。
公式はログインなしで外から悪用されるおそれがある問題として、すぐの更新を強くすすめていて、日本でもIPAやJPCERT/CCが注意を呼びかけています。
メモした番号が表より小さい時は、ここだけは年末を待たず、早めに動きましょう。
これは8.2から8.3へ上げる作業とは別の話です。
レンタルサーバーでは細かい番号を選べないことも多く、修正だけ入っている場合もあるので、案内に無ければこう聞きましょう。
「PHP 8.2.○○を使っています。
2026年10月のPHPの修正(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)は、このサーバーに入っていますか?」
8.1以前は通常の修正版の対象外で、公式が用意したのは、PHPを自分で組み立てる人向けの最小限の修正コードだけ。
今のバージョンごとの次の動き
| 今のバージョン | 次にやること |
|---|---|
| 8.1以前 | サーバーの会社に修正の有無を聞き、8.3以上へ上げる予定を早めに立てる |
| 8.2 | 修正の番号を確かめて、年内に8.3以上へ上げる予定を立てる |
| 8.3以上 | 修正の番号を確かめる |
WordPressのPHPバージョンアップを自分でやる手順
自分でやるなら、切り替えのボタンより、押す前の準備が大事です。
切り替えは数回のクリックで終わりますが、事故が起きやすいのは準備を飛ばした時です。
- サイト全体のバックアップを取る(ファイルとデータベースの両方)
- テーマとプラグインが上げ先のPHPに対応しているかを確かめる
- 使っていないプラグインを整理する
- できれば本番とは別のテスト環境で、ここから先を試す
- WordPress本体、プラグイン、テーマを新しくする(テーマを直接書き替えたサイトは、消えることがあるので先に作った人へ確認)
- サーバーの管理画面でPHPのバージョンを切り替える
- トップ、問い合わせ、よく見られるページ、管理画面を確かめる
切り替えは、エックスサーバーならサーバーパネルの「PHP Ver.切替」でドメインごとに選ぶ形で、ほかのサーバーは案内で探しましょう。
時間帯は、定休日の午前中や始業の前など、お客さんが少なくて、すぐ戻せる時間を選びましょう。
バックアップとテスト環境を先に用意する
バックアップは、戻せて初めて意味があります。
サーバーの自動のバックアップがある時も、何日分残っているのか、どの画面から戻すのかを先に見ておきましょう。
ファイルとデータベースは同じ時点の物をそろえて戻すのが基本で、片方だけだと表示がおかしくなることもあります…。
テスト環境は、本番のコピーを別の場所に作って、そちらだけPHPを上げて試す場所のこと。
引っ越しの前に、新しい部屋へ家具が入るかを測っておくようなものですね。
サーバーの案内で「テスト環境」「ステージング」と探すと、コピーを作る機能が見つかることもあります。
作るのが難しい時は、バックアップ、戻し方、すぐ戻せる時間の3つがそろうまで切り替えないのがおすすめ。
テーマとプラグインの対応から上げ先を決める
上げ先は、テーマとプラグインが対応している中で、できるだけ新しいものが基本です。
本体が古いと新しいPHPに対応していないので、まず本体の番号を見ましょう。
上げ先のPHPに対応するWordPress
| 上げ先のPHP | 公式の表で対応するWordPress |
|---|---|
| 8.3 | 6.4以上 |
| 8.4 | 6.7以上 |
| 8.5 | 6.9以上 |
プラグインは配布ページの最終更新日と説明書きを、テーマは作者の案内を見ます。
誰かが独自に足したコードは一覧に出てこないので、作った人にこう聞くのが確実。
「PHP 8.3へ上げたいです。
今のテーマと、追加で作ったコードは対応していますか?」
ちなみに、古い記事でよく見るPHP Compatibility Checkerは、配布ページに保守終了とあり、調べられるのもPHP 8.0までなので、今回の確認には頼れません。
迷ったら8.2は避けて8.3以上から選びますが、8.3は2027年末に次の期限が来るので、対応していれば8.4や8.5のほうが次の作業まで長く空きます。
表示がおかしくなった時の戻し方
画面が真っ白になった、エラーが出た、という時は、慌てずに元のバージョンへ戻すのが最初の一手です。
おかしくなった時の順番
- サーバーの管理画面で元のPHPに戻す
- 画面を読み込み直して、表示を確かめる
- 直らなければ、バックアップから戻す
- 出ていた画面の文を作った人に送る
元の番号を選べるかはサーバーによって違うので、切り替える前に一覧を見ておくと安心。
「このサイトで重大なエラーが発生しました」と出た時は、管理者のメールに案内が届くこともあります。
うまくいったら、サイトヘルスで番号を確かめて、問い合わせフォームからも1通送ってみましょう。
PHPバージョンアップの見積もりが来た時に見るところ

見積もりが届いたということは、気にかけてくれている、ということでもあります。
疑うより、中身を確かめるつもりで聞いてみるのが一番。
PHPの作業はサイトの状態で中身が大きく変わるので、金額だけでは高いか安いか判断できないからです。
見積もりで確かめたい6つのこと
見るところは、次の6つにまとまります。
- どのバージョンからどのバージョンへ上げるのか
- テーマやプラグインの修正も含まれているのか
- 本番とは別の場所で試すのか
- バックアップは誰が、いつ取るのか
- おかしくなった時に、どう戻すのか
- 作業のあとに、どのページを確かめるのか
書かれていない項目は、失礼かな、なんて気にせず「ここはどうなりますか?」と聞いて構いません。
丁寧に答えてくれるかどうかも、ひとつの判断材料になりますよ。
金額に差が出る理由と比べ方
金額に差が出るのは、時間がかかる作業がサイトごとに違うからです。
時間がかかるのは切り替えより、古いコードを探して直す作業や、確かめる作業のほう。
2社から見積もりを取る時は、金額の前に次の3つの範囲をそろえましょう。
比べる時にそろえる3つのこと
- 確かめるページの数
- 不具合の直しが入っているか
- 作業のあと何日見てくれるか
範囲が違うまま金額だけで比べると、安く見えた方があとで高くなることもあります。
作り直しをすすめられた時は、「最低限、何を直せば動きますか?」と聞いてみるのがおすすめ。
社内で説明する時は、「今日止まるわけではないが、公式の修正は○月○日まで。
中身と戻し方を確かめて進めたい」と伝えると分かりやすいと思います。
WordPressのPHPバージョンアップのよくある質問
PHPバージョンアップは自分でやっても大丈夫ですか?
バックアップがあり、戻し方が分かっていて、止まっても困りにくい小さなサイトなら、自分でやる方もいます。
予約やネットショップなど、止まると困るサイトは、頼んだほうが安心かもしれません。
WordPressの更新だけではダメですか?
WordPressの更新は大事ですが、PHPはサーバーの側なので別の作業になります。
順番としては、PHPの前に本体とプラグインを新しくしておく形が進めやすいです。
レンタルサーバーが自動で上げてくれませんか?
細かい修正版は、サーバーの会社が入れてくれることもあります。
ただ、8.2から8.3のような大きな区切りは、自分で切り替える形が多いと思います。
期限を過ぎたサイトはすぐ危険ですか?
期限を過ぎた日に何かが起きるわけではありません。
ただ、次に問題が見つかっても公式の修正は届かないので、早めに予定を立てておくのがおすすめです。
PHPの更新を推奨と出たら今日やることは1つだけ

繰り返し言うようですが、今日やることは、サイトヘルスを開いて番号をメモすることだけ。
お金もかからず、サイトも変わりませんし、番号が分かれば次に何をするかが決まります。
8.2以下なら年内の予定を立てて、10月の修正版より小さければサーバーの会社に確かめましょう。
自分でやるか頼むかの目安
| 自分でやってもよさそう | 頼んだほうが安心 |
|---|---|
| 止まっても困りにくい小さなサイト | 予約やネットショップがある |
| バックアップと戻し方が分かる | バックアップの取り方が分からない |
| 更新が続いているテーマを使っている | テーマを独自に直してある |
頼むと決めた方は、今のバージョン、サーバーの管理画面に入れるか、止めたくない曜日をそろえておくと話が早く進みます。
パスワードそのものは、最初の問い合わせのメールに書かなくて構いません。
続けて読むなら、この記事もおすすめです。
「この先が分からない」「見積もりの項目が読めない」という方は、まとまっていなくても構わないので、その番号や項目をそのまま送ってください。
ほかの会社が作ったサイトでも、1回だけの修正でも構いません。
お問い合わせの種別は「その他」で大丈夫で、お返事はメールで1〜3営業日ほどです。
毎月の確認や更新まで任せたい方には、運用サポートもあります。
